中国への入国はバス、電車、徒歩、飛行機などいくつか選択肢がある!!
その中で僕らは以前紹介した通りバスを選んだ!!
「南寧」と書かれたシールを貼り、国境付近で降ろされる........
「やったー!!自由だ!」
と喜びたいところだが、ここからどこに向かうべきなのか、中国側で待ち合わせているバスが何処にいるかは分からない........
まるで、高級寿司屋で時価とかかれたメニューを前に何を頼めばいいのか、女の子を前に何を質問したら良いのか(誕生日はさっき聞いたよな..... 次は出身地か?血液型か?)分からないように、何をすれば良いのか全く分からない.......
なぜ俺はいま外国にいるのか?
よく分からない疑問が現実逃避を擁護するかのように頭に浮かぶ........
「Excúse me 南寧行きあっち!? 合ってる??」
そんな時、母国語が中国語である香港にて、英語と日本語を駆使したルー加藤が、持ち前のジェスチャーと笑顔でコミュニケーションを図る。
「世界の共通言語は英語じゃなくて笑顔だよ!」
これが、出発前に英語が苦手な僕等が出した答えであり、今その真意が問われる場面がやってきたのだ..........
「Are you a japanese?」
「イエス!!!」
いつも不機嫌そうに映る中国人が、私について来なさい!!と言わんばかりに笑顔を見せる........
母親と息子の2人ペアだ.....
彼女の母性本能をくすぐったのか、彼女は僕達を守るかの如く、目の前に立ちはだかる中国人の壁を追い払う!!
「貴方達の入国審査はあっちだよ!!」
多くを語らない彼女は必要最低限の手振りで伝えた........
それに答えるかのように、僕等は満面の笑みで「Thank you」と答えた......
そう......
そして時を同じくして、僕等はこの後の旅を共にする彼等とも出会っていたのだ!!
金髪にスラっとした風貌.....
60Lのバックパックを背負い、更には前方にもうひとつバックを持っている.....
更ながら収納力は4次元ポケットに値するのではないかと思わせるカップルは、5分前の僕等と同じように進むべき道を探し、彷徨っていた!!
僕等と彼等の共通点は、胸元に行き先の書かれたシールが貼ってある事だけだ!!
彼等にとって漢字はきっと縄文文字のように映っていたのだろう.......
胸元のシールにそっと目をやると「南寧」と行き先が記されていた.....
「あっ!南寧!」
心の中で最大限、驚きの声をあげた........
この時の僕等には異国の地でちょっとした仲間意識が芽生え、それと同時にパズーがシータを助けるような(ラピュタより抜粋)、はたまた自らを犠牲にしてまでもジャックがローズを助けた時(タイタニックより抜粋)と同じ気持ちを持ち合わせていただろう
中国人親子に教えられた道を彼等にも伝え、無事に出入国審査をパスした頃には、僕達4人には国境を超えた友情が芽生えていた.......
そう!これが、笑顔が世界の共通言語に変わった瞬間である!
その後、南寧行きの寝台バスへと乗り換えるべくバスターミナルに向かうと、またしても僕らの前には壮大な脱出ゲームが立ちはだかっていた。
「どのバスに乗れば良いの???」
学校で習った知識を使っても、解決出来ない事がこの世の中には多すぎる!
この場面はきっと代表的な一例だろう......
「はぁー。僕達の旅もこれまでか.......
ごめんよ、シータ。ローズ。
どうやら最後まで助けてあげられそうにないんだ。
自分の終わりくらい自分が一番分かっているさ.....」
もう僕達は、ほぼこのセリフを言いかけていた。
「一難去ってまた一難」
よく昔の人はうまい事を言ったもんだ......
きっと中国の出入国の際に作られた「ことわざ」なんだろう........
その時である。
「はーい!こっちだよ!」
遠くから、聞こえはしないが大きな手振りで僕達を待っている人がいる......
中国の偉大な親子だ。
あぁー、なんて義理深い人達なのだろうか........
僕達の入国審査が終わるのを待っていてくれたのだ。
高校時代、部活が終わり家に帰ると、既に夕飯を食べ終えている僕の母とは大違いである。
この人を尋ねて3000里なら歩くことも可能であろう........
そう思わせる程の偉大な母に連れられ、僕等は南寧行きの寝台バスへと無事に乗り込んだ。
香港の九龍を17:30に出発し、中国の南寧には翌朝8:00に到着する!
時差が1時間なので15時間半のバス旅である.........
1人あたり、380香港ドル=約5150円で移動できる。
日本の夜行バスとは違い、その名の通り簡易ベッドで横になりながら移動できる為、非常に快適である!!
こないだの公園泊とは違い、ぐっすり眠られる上に移動もできる一石二鳥な寝台バスに、加藤くんもいつもの喜びのこのポーズである。
道中、休憩に立ち寄った場所では、さすが中国さんと思わせるような、この人の多さ!!!
トイレ利用には1元必要であったり、このマクドナルドのパクリのようなお店といい、これぞ中国という姿を見せつけられた!!
ただ1番驚いたことは、店内で当たり前にタバコを吸うことでも、トイレの個室が丸見えな事でもなく.......
店内の商品が全部、賞味期限切れなので、製造年月日と勘違いさせる程の徹底?ぶりだったことだ!
腹を壊すのも納得だぜ!!!
そんな驚き満点な中国のバス旅も、事故で横転する事もなく予告通り7/6のAM8:00に南寧に着いた!!
偉大な母との別れを告げ、僕たち4人は次の街、ベトナムのハノイに進むべく、バスターミナルに向かった!
3カ国目:中華人民共和国 7/5〜7/6
2013年07月09日 03:41